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 ヘルメットのカスタムペイント工程です。

 ヘルメットのカスタムペイントって高いね〜、とよく言われます。 私もそう思うんですね。
 だってヘルメット新品が普通3〜5万でしょ? かっこいいペイント (印刷だけど) してあるものも少なくありません。

それがペイントに出すと、ピンきりですがそれだけで3〜5万は普通。
 凝ったものになれば10万を超えるような値段になるものもあります。(−−;)なんでこんなにするねん?

まあ工程を見てみましょう。結構メンドイ作業がいっぱいです。

BELLヘルメット。レーシングカート用です。
国産より少し大柄ですね。伝統あるメーカーです。
新品は気持ちいい〜。

まずは全体をペーパーでならし、マスキングします。
クライアント様のラフスケッチから原案を起こし
それを見ながら、ラインを引いていきます。
後頭部にスポイラーを装着するため仮合わせも行います。
全体にネット模様を入れるために、ルノーブルーを入れます。
このブルーは細い線でしかのこりませんが
まずこれをペイントしてからラインテープを貼っていった方が
早いのです。
そしてエアブラシで濃いパールブルーを入れます。
ネットに沿ってほかし塗りをしていきます。
根気の要る作業。
端っこの方はライン自体をぼかすために
わざとテープを浮かしておきます。
しかしダクト部分などはきちっと貼らなければなりません。
こうなりますね。ここをパールブルーで
ネット模様がフェイドアウトするようにぼかしていくのです。
端っこまできちっとテープを貼ってしまうと、段差が残ってしまうので
それを嫌ってのテープ処理です。
そして、パールブルーをエアブラシします。
模様をフェイドアウトさせるところを考えて
きちっと処理していきます。
今までのマスキングをはがします。白い部分ですね。
そこから後にかけては何かが砕け散ったような柄を
ということなのでそのような模様をマスキングで付け足します。
その部分をホワイトで軽くペイントします。
今からの色がのりやすいようにですね。
このラインの周りには2ミリの赤いラインを入れるために
一度そのレッドにペイントします。軽くネ。
白の上だからさらっとペイントで大丈夫。
そして残す部分を2ミリのテープでマスキング。
その部分だけがレッドとしてほそーくのこるんですね。
勿体ない。
赤いところだけペイントしたらいいんちゃう。
と思うでしょ。そうするとマスキングは倍ほど時間がかかるんですよ。
一番下のブロックの色、ブラックをペイントします。
その上は、イエローなので色を載せるために
ホワイトをペイント。下塗りですね。
面倒ですが、これをしないとイエローはなかなか
色がとまらないので何度もペイントしてぶあつい層になってしまいます。
素人さんが陥るのはそんなところが多いですね。

イエローブロックのペイント。
オレンジで下と後部分から上品にグラデーションをかけます。
下塗りで白が入っているとさらっとペイントできます。
すると早く乾きます。
そして次の工程へ進むまでの時間を短縮できます。
ここまでのマスキングを全てはがします。
するとこんな感じ。
ここで半分ぐらいかな?
これ1日でやっているんちゃうよ。
乾燥させないと次に進めないからね。
全体を見て、ブルーが少し他の色に対して
濃いのでパールブルーで調整。
全体の色をきれいにバランスとるのは必要ですね。
フリーハンドの絵なんかだと描きながら調整できますが
マスキングがからむと、色を入れてからはがして
あれ?っと思う事もあります。
日の丸とウイングの絵を入れるためのマスキングを始めます。
後でBELLレーシングのステッカーが来るため
その位置も決めてからマスキング位置をきめます。
日の丸、ウイング。
シャドウをエアブラシで入れます。
ブルーでシャドウ入れたほうがきれいだろうな〜と思ってね。
日の丸とウイングを入れたところ・・・。
ペイントする時はスポイラーは外し、ラインなどをあわせるときは
仮合わせをしながらやります。
そしてまた、ペイント工程の時は外します。
これを何度も繰り返さなければならないので
ディフューザーやスポイラーつきは別途料金になります。
つけたままでいいならいいですけどね。

そしてステッカーをはります。
ヘルメットはどこでも3次元曲面のため難しいです。
簡単だと思うでしょうが、そう思うなら貼ってみそ。
暖めてへらで伸ばしながらきれいに貼り付けていきます。
よくステッカーぐらいただで貼って。とかいわれるんですが
小さいものでも位置あわせから暖めて貼り付けなどやっていると
1枚、10〜20分当たり前にかかります。
責任も持たなければなりません。
とは言っても一つ一つ貰ってはいないですが・・・。
わかってくださいね。
それが企業努力ってものです。
あ、そうそう
貼る前に、必ず残っているペイントの段差をとります。
一生懸命薄く塗ってもつきます。
このまま貼ってしまうとステッカーにも当然段がでます。
細かいでしょ?
そして上のホワイトゾーンにクライアント様の
カンパニーネーム。愛社精神ですね〜。
ここももちろん3次元。
そしてライン自体が曲がっているため
ステッカーをアプリケーションごと一度バラバラにしてしまいます。
それを一字一字バランスよく並べなければなりません。
このような単純作業でも
ごく基礎的なですがレタリング知識が必要ですね。

スポイラーを仮付けして位置あわせ。
場所を決めて1列貼るのでも30分ぐらいですね。
左右貼るので1時間余裕でかかります。
フロント部分にBELLステッカー。
ダイキンステッカーとマーク。マークはペイント。
あとは左に、オーナー様のネームを手書きして
それから何箇所かにスターハイライト
を入れてからクリアコート。
今回は一度クリアコートしてから乾燥。
中研ぎを入れてから
ダイキン工業のフッ素クリアをペイントしております。

ふう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ふう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

つかれた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

完成画像をどうぞ。レポートにするだけでも大変ですね。
この手間を見てどう思いますか?簡単そう?誰でもできそう?安そう?
これで今回65000円(文字・ステッカー製作・貼り付け別)ですが正直、時間工賃としてはあいません。
まあ、わたくしとしては外装のみ自動車の全塗装してるほうが早いし気が楽だな〜。
携帯電話など小さなものになるほど高い技術が要求されるのですね。つまりそれだけ高くなる。